ようこそ営利法人へ。
私は営利法人の社員の一人。
こんな爺さんでも一応社員だ。
自己紹介はこの位にして本題に入ろう。
おそらく目の前に座る君たちの殆どが営利法人の諜報員を志願し集まった者たちだろうが 。
志願者の中には毎年毎年口先だけの正義感の囚われた者たちがいるので
ここで一つ現実を君たちに突きつけよう。
まぁ、老人の戯言とでも思ってくれ。
諜報員。
それは営利法人の耳であり牙。
裏社会のあちこちに潜み敵の懐を見つけてはそこに飛び込む。
営利法人に有益な情報を齎す。
そんな彼ら(もしくは彼女ら)はもちろん諜報員になるための教養を受ける。
先輩諜報員による対人格闘術。
営利法人機動部隊員による銃の扱い方。
爆弾魔による破壊工作の方法。
結婚詐欺師の常習犯による心理術などなど。
命懸けの教養期間を終え諜報課に正式配属される。
その後はチームもしくは単独で活動することになる。
しかし待っているのは『真っ黒な未来』。
本当の名ですら呼ばれず、
仲間の前でさえも『虚言』という仮面を身につけ、
偽りの人生を生き続ける。
日々積み重ねられる罪悪感が心を蝕む。
最後には闇に取り残され行き場を失ってしまう。
そのような事がないよう光を見失ってはいけない。
諜報員が抱くべきものは"正義感"でも"怨恨"でもない。
"希望"。
ただそれに縋ることしかできないのだ。
諜報員となって待っているのは"栄光"でもなんでもない、"地獄"だけだ。
しかしこの職務はゴミ掃除と同じ。
誰かが進んでやらなければ綺麗にならない。
そんな汚れ仕事を今現実を知った君たちは引き受けてくれるだろうか?
これより営利法人諜報員入社試験を開始する。
しかしその前に志願を取り消す者はここから立ち去れ。
君たちが口先だけの愚者でないことを私は祈っている。

